【ゲームレビュー】これさえなければ…あと一歩のリメイク『タクティクスオウガ リボーン』

どうもです、タドスケです。

ゲーム会社で働いているとよくされる質問が

1番好きなゲームは?

なのですが、僕はいつでもタクティクスオウガと即答します。

そんな僕にとっての神ゲーであるタクティクスオウガのリメイク版が先月発売されました。

SQUARE ENIX
タクティクスオウガ リボーン | SQUARE ENIX タクティカルRPGの金字塔『タクティクスオウガ』が更なる進化を遂げ、今ここに新生!

発売から1ヶ月ほどずっとプレイしていて、現在は最終章のラストダンジョン手前で戦力強化中。

まだ先はあるものの、ゲームの全体像は見えたので、レビュー記事を書こうと思います。

※タイトル画像は 公式サイト から引用しています。
目次

残念仕様だったPSP版

タクティクスオウガは過去にPSPでもリメイク版が発売されており、今回は2回目のリメイクとなります。

PSP版も当然プレイしましたが、これが非常に残念な出来でした。

チャリオットによるやり直し機能、クラススキル、分かりやすくなったUIなど、良い点もありましたが、それら全てを台無しにしてしまったのが、クラスレベルシステムです。

レベルがクラス単位になったことで、新規加入ユニットでもレベル上げせずに投入可能!

といえば良さそうに思えます。

しかしクラスレベルが上がる際、クラスに属しているキャラの各能力にボーナスが付くという仕様があり、このせいで後半に加入するキャラにはボーナスポイントが付かず、初期加入キャラ以外は役に立たないという最悪の結果になってしまっていました。

キャラの使い分けが楽しいはずのゲームで、これは致命的です。

ボーナスポイントを取りこぼさないよう、全員をソルジャーにして最大レベルまで上げたら、次は全員をアーチャーにしてレベルを上げて…最強キャラができる頃には、もはやクラスの使い分けなんて不要!

…自分でやっておいてなんですが、

これの何が面白いんだろう?

って思いましたね😅

レベルシステムが改良されたリボーン

そして発売されたリボーン。

気になるレベルシステムは以下の仕様になっていました。

  • レベルはキャラクターごと
  • 戦闘終了時、戦闘に参加したキャラ全員に経験値が分配される
  • レベルの低いキャラほど多く分配され、早くレベルアップする
  • ストーリー進行に合わせて最大レベル(ユニオンレベル)が決められている
  • 最大レベルに達して余った経験値はチャームに変換される
  • チャームを使用すると、戦闘に参加していないキャラもレベルアップできる

新規加入キャラを育てる手間が極力少なくなった一方で、序盤から無限にレベルを上げて無双することもできなくなっています。

まあ、最近の戦略ゲームとしては妥当な調整だと思います。

遊びやすくするためのシステム

最近の時流に合わせ、遊びやすくするためのシステムが多く追加されています。

(※PSPからあったものも含みます)

  • 高速化
  • スキル演出の省略
  • 視点切り替え
  • 連続ステージ間のセーブ
  • 編成時に敵チームの構成を確認できる「偵察」機能
  • 消費アイテムの自動補充
  • フリーバトル時の「撤退」機能

ドラゴンやアンデッドの対策をするかどうかも敵チームを見ながら考えられるので、より最適なチーム編成ができます。

全100ステージからなる死者の宮殿も、うっかり事故死によるやり直しのストレスから解放され、気軽に挑戦できるようになりました。

緊張感は減りましたが、これまた最近のゲームとしては妥当な調整でしょう。

「じゃんけん」のようなクラスバランス

クラス間のバランスはよく練られており、いわゆる万能クラスはほとんどありません。(ロードとかはさすがに例外だけど)

強いアーチャーでもドラゴンにはなかなかダメージが通らないし、硬いドラゴンもドラグーンには瞬殺されます。

原作で不遇だった魔法戦士は、前衛を支援しつつ飛び込んできたホークマンに必殺技を叩き込む中衛として活躍してくれるようになりました。

敵の編成をよく見て、メンバーの役割を考えながらチーム編成を行う楽しみができたのではないかと思います。

BADポイント

ここまでは良い点を並べてきましたが、不満に感じるポイントも多くありました。

作戦を乱す、「強化カード」

今作最大の不満点であり、ゲームバランスを大きく乱す要因となっているのが、戦闘中にランダムに出現する強化カードです。

これを取ることで直接攻撃のダメージが上がったりオートスキルの発動率が上がったりします。

問題はカードの効果がかなり高いこと、ランダム性が強いことです。

弓使いが直接攻撃力アップのカードを2枚も取れば、斧使いのアタッカーを軽く上回る火力を出します。

そのため、攻撃するよりもカードを取ったほうが有利なことが多く、次第に「カードを取りに行かされている」気分になります。

カードの効果は敵側にも及ぶので、

  • 敵の行動直前にカード出現
  • 敵がカード取得
  • 強化された必殺技で前衛が即死

なんてことも起こります。

戦術で防ぎようのない問題なので、起きると怒りしか感じません。

せめて通常のバフと同じ扱い(持続時間あり、重ねがけ不可)だったら、戦闘のスパイス要素として楽しめたかもしれません。

単調さを生む、「強過ぎる必殺技」

武器のスキルレベルを上げていくと覚える必殺技。

大ダメージを出したり状態異常をほぼ確定で付与したりするものがあり、非常に強力です。

後半のボス戦では必殺技の撃ち合いになることも。

攻撃範囲も不自然に広く、崖の上にいる敵に剣の技が届いたりします。

そのため、最も強い戦術は「MP回復アイテムを使ってから必殺技連打」というごく単純なものになってしまいます。

あからさま過ぎる、「ボス戦の不公平感」

ボス戦では敵全員がこちらのユニオンレベルよりも高く設定されており、後半のボスは5レベル上なんてこともザラ。

さらにボスは強化カードを戦闘開始時から4枚持っており、前衛すら一撃で葬る威力の必殺技を連打してきます。

このような敵側に対するあからさまな「ひいき」は、開発者の意図通りに遊ばされている感覚を生みます。

レベルやカードではなく、単純に素のステータスが高いだけのほうが、同じ強さでもここまでの不公平感はなかったかもしれません。

やり直しを強制させられる、「低ドロップ率」

一部の敵が落とすアイテムには、ドロップ率が極端に低く設定されているものがあります。

これ自体はレアアイテムなので特に不満はないのですが、問題はチャリオットによるやり直しや撤退などの機能と組み合わせると、実質100%にできてしまうことです。

バグでもなんでもなく普通のシステムでそれができてしまう以上、ユーザーがやるのは明らかです。

そしてドロップを狙うために単調なやり直し操作を強いられることになります。

まるでスマホゲームのリセマラを強制的にやらされている気分です。

いっそドロップ品はステージクリア時に開封するまで分からなくして(やり直しができなくして)、代わりにドロップ率を上げてしまった方が納得がいったかもしれません。

総評

以上、色々と不満点も書きましたが、個人的には楽しくプレイできています。

ただ、もっと良くできた点も多く、非常にもったいない出来に感じました。

特に強化カードは運要素が非常に強いため、戦略ゲームとしての面白さを大きく損なう要因になっており、これを廃止するだけでもかなりマシになる気がします。

Amazonなどのレビューが振るわないのも、このあたりの不満の現れではないでしょうか。

かなり人を選ぶゲームなので、買われる方はお気をつけて!

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