どうもです、タドスケです。
先月末に13年間働いた会社を退職し、来月から新しい会社での仕事が始まります。
今回の転職活動は入念な計画のもとで進め、とても納得のいく成果が得られたので、実際の転職活動の流れをまとめておきます。
ゲームプログラマーのみならず、転職を検討されている全ての方にとって、リアルな情報を提供できればと思います。
成果
初めに今回の転職で変わった点をまとめておきます。
- 大手→メガベンチャー
- サウンドプログラマー→ツールプログラマー
- 時給制→年俸制
- 年収→+50~100万(期待値)
これらは全て当初の希望通りの結果となりました。
転職活動の流れ
転職活動は以下の流れで進めました。
- 情報収集(主にYouTube)
- 自己分析
- 履歴書、職務経歴書の作成
- 転職エージェントへの相談
- 企業への応募
- 採用試験(筆記、オンライン面接)
- 内定後の情報収集
- 内定承諾
- 退職相談
- 引き継ぎ
この流れに沿ってまとめていきます。
情報収集
転職を検討するにあたり、まずはYouTubeの転職系の動画で情報収集を行いました。
本を探してもよかったのですが、そもそもどの本を買えばよいのかわからなかったのと、まずは無料の情報をざっと集めてからでも遅くはないかなと思ったので、手軽に観られるYouTubeから入りました。
結果、YouTubeだけで十分な情報が集まりました。
特に参考になったと思う動画をいくつか挙げておきます。
これらの動画の情報をもとに、以下の点に意識して転職活動を行うことに決めました。
- 軸を決める
- 転職はマーケティング
軸を決める
転職エージェントに相談するにしても、「自分がどんな転職を望んでいるのか」はしっかり決めておく必要があります。
軸が無いと複数の選択肢があった場合に迷ってしまいますし、いざ決めた後も「これで良かったのか?」という迷いが出る可能性があるからです。
転職はマーケティング
転職活動とはすなわち、
自分の労働力という商品を、相手企業に買って(採用して)もらうこと
と心得ました。
ブログを始める時に勉強したWebマーケティングの知識が活かせそうな気がしました。
具体的には以下の点について考えていけば良さそうです。
- 相手がどんな悩みを持っていそうか
- 自分の強みは何か
- 相手の悩みを自分の強みでどう解決できそうか
自己分析
上で書いた転職活動の軸やマーケティング(相手企業への売り込み方)について意識しながら、情報をまとめていきます。
退職理由
現在の職場で抱えている問題点のうち、転職しないと解決が難しそうなものをまとめていきます。
採用面接の際には必ず
- なぜ転職しようと思ったのか?
- それは今の会社で解決できないのか?(プロジェクト異動、部署異動など)
といった質問がされるので、ここが曖昧だと面接官の心象が悪くなります。
また、元の理由自体はネガティブなものでも、できるだけポジティブな言葉に言い換えるように意識しました。
例:残業が多いのが嫌→生産性を上げることが評価に繋がる環境に身を置きたい
ネガティブな言葉をそのまま伝えてしまうと、人間性を疑われたり「この人はうちに入ってもすぐに辞めそうだな」と思われてしまう可能性が高いです。
転職の目的
退職理由と似たようなものになりますが、転職を通して実現したいことをまとめていきます。
僕の場合は以下の内容にしました。
- 年収アップ(+50万以上)
- 残業できなくても、生産性を上げることで昇進・昇給が狙える環境に身を置く
- ゲーム業界外にも転用しやすいスキル・経験を得る
強み
書類の自己PR欄や面接でアピールできそうな自身の強みをまとめます。
後で「この強みがあなたの悩みをこう解決します」という話に繋げるためにも、ここは重要です。
僕の場合は以下の内容にしました。
- コミュニケーション能力
→複雑な物事を整理し、他人にわかりやすく伝えることができる
→チームメンバーの中で信用を得ながらうまくやっていける - 堅実な仕事ぶり
→システムまわりの経験年数が豊富
→順序立てて確実に仕事を進めるのが得意
弱み
自身の弱みとその対策をセットでまとめておきます。
僕の場合は以下の内容にしました。
- 物理数学
→他の人に任せ、他のシステム部分を担当したり、開発サポートに回る - アドリブ力
→業務日誌を毎日つけ、経験を確実にモノにする - 純粋なプログラミング能力
→持っている技術を最大限に活かすための戦略思考でカバーする
履歴書、職務経歴書の作成
これまでにまとめてきた内容をもとに、履歴書、職務経歴書を作成します。
この際に気をつけたのは以下の点です。
- アピールポイントの根拠となるような具体的なエピソードを添える
→「新人教育でこのような取り組みを行い、このような成果を挙げました」 - 読み手が読みやすくなるように書く
→項目ごとに見出し記号◆をつける、など - 添削してもらう
→転職に成功した友人、エージェント
プログラマーには文書作成が苦手な人も多いので、ここにしっかり力を入れることで差別化を図る狙いもありました。
実際、受けた企業の採用担当者からも
大変見やすく書かれていて素晴らしいです。
とお褒めの言葉をいただけました。
転職エージェントへの相談
一通りの情報をまとめ終わったら、転職エージェントへの面談を申し込みます。
今回は、情報収集時に様々な動画で評価の高かったJACリクルートメントにしました。
申し込み後はエージェントと面談(今回はオンライン)を行い、上でまとめた退職理由、転職の目的、これまでの経歴などを伝え、希望に沿いそうな求人を紹介してもらいます。
今回は全部で15社ほど紹介いただきました。
企業への応募
エージェントによっては
とりあえず応募してみましょう!
という感じのことを言ってくる人もいました。
しかし僕の場合は、限られた時間の中でも企業個別の対策にしっかり力を入れたかったのと、「今の会社より良い条件でないなら転職しなくてもいい」と考えていたので、本当に良いと思える企業だけに厳選しました。
選ぶ際に意識したのは以下の点です。
- ツールなどの開発環境に力を入れている
- 様々な規模の企業を見る(ベンチャー、中堅、大手)
- 年収アップが見込める
そして実際に選んだのが以下の企業です。
(さすがに名前は公表できないので、想像にお任せします…)
応募先 | 選んだ理由 |
大手 | ワーキングペアレントとして働きやすい制度が整っている。 仕事内容は現在と同じような感じでイメージしやすい。 |
メガベンチャー1 (決めたところ) | 高い技術力がウリ。 会社規模の割にフットワークが軽い。 ゲーム業界では比較的新しい開発スタイル(テスト駆動開発など) |
メガベンチャー2 | 幅広い事業展開(社内での異動がしやすい) 外資的な社風(実力次第で年収大幅アップが期待できる) |
中堅2社 | 間も見てみたい。 大手の後ろ盾があり、規模の割に安定感がある。 |
ベンチャー | 年収の大幅アップが見込める。 直前にヒットタイトルを生み出していて勢いがある。 自由な社風。 |
採用試験
応募した後は、順次エージェントから書類選考の結果が届きます。
書類作成に力を入れたこともあり、ここはすんなり通過できました。
適性検査
企業によっては適性検査(オンライン)を受けるところもありましたが、特に対策はせずに臨みました。
(事前に対策ができるような内容ではなかった)
面接
面接の際には上でも書いたように
自分の労働力という商品を、相手企業に買って(採用して)もらう
ことを意識して臨みました。
具体的には以下のような内容です。
- 企業の情報を公式WebやYouTubeチャンネルなどから収集する
- その企業が抱えていそうな悩みについて共感する
→「新規メンバーを大幅に増やす際、習熟までの時間が課題になっているのでは?」
→「御社はプロデューサーやプランナーが積極的に情報発信していますが、『前に出られるプログラマー』も必要なのでは?」 - 自分の強みがその悩みをどう解決できるのかを伝える
→「技術ドキュメントやライブラリを体系的に整備することで、新規メンバーの参画コストを下げられます!」
→「社内勉強会などを通して、現場のノウハウを若手にわかりやすく伝えられます!」
→「『喋れるプログラマー』として、御社タイトルの魅力を技術面でもユーザーにアピールできます!」 - 採用後の仕事ぶりをイメージしてもらえるように、取り組みたい仕事について提案する
→「開発環境にツールをインストールせずに、ブラウザ上で情報を参照できる仕組みを作ります」
→「初期セットアップを行いながら、セットアップマニュアルをわかりやすく改修します」
1まではエージェントからも言われるし、多くの方がやると思うのですが、今回2以降にまで踏み込んだことで、面接官の方の反応が明らかに良くなりました。
実際に「そこまで見ていてくれて嬉しい」という返答もいただけました。
選考結果
結果は以下のようになりました。
応募先 | 結果 | 理由 |
大手 | 内定 | 将来のマネージャー候補として経験を積んでほしい。 豊富な講演経験を活かし、社内勉強会でも活躍してほしい。 |
メガベンチャー1(決めたところ) | 内定 | コミュニケーション能力の高いツールエンジニアを求めていた。 「使い手を考えたツール造り」をぜひ弊社でも活かしてほしい。 |
メガベンチャー2 | 書類落ち | ポジションが用意できないため。 |
中堅2社 | 辞退 | 書類選考の結果が来る前に、他の企業の結果が揃ってきたため。 |
ベンチャー | 内定 | 事業拡大のフェーズにあり、支援型のエンジニアを強く求めていた。 |
面接まで進んだ企業については勝率100%と、大変満足のいく結果となりました。
内定後の情報収集
どこに行くかを決めるため、内定をいただいた3社について追加で情報収集を行いました。
転職先にいる知人
ちょうど今の会社から転職先に行った後輩がいたので、連絡をとってオンライン飲みを行いました。
転職しようと思った理由、転職してみてどう変わったか、現在の悩みは何か、などを聞かせてもらいました。
社員の口コミを紹介するサイトもありますが、基本的に辞めた人の意見なのでネガティブな情報に偏りがちです。
その点、社内にいる人の生の声は非常に有益な情報となりました。
オファー面談
採用担当者からより詳しい仕事内容、福利厚生などの情報、内定の決め手などの話を聞けます。
他の会社のオファー額(入社時の給料)を伝えることで、より良い条件を提示してくれる企業もありました。
ただ、「オファー額上げてくれないと他に行っちゃうよ?」と言うとストレート過ぎるので、
「他社さんで○○円のオファーをいただいており、仕事内容なども加味して検討中です」という感じで伝えて、「上げてもらえたらラッキー」くらいのつもりでいるのが良いかと思います。
オフィス見学
オフィスを実際に見学させてもらい、「ここで働く自分をイメージできるか」について考えました。
内定承諾
基準
内定承諾先を選ぶにあたっては、以下の点を重視しました。
- ワクワクするか(「死ぬまでワクワクしていたい」という自分の理念)
- 適正なリスクか(会社規模、経営状況、業界の動向など)
- 再転職するのに有利な経験が積めるか
- そのまま働き続けた場合に、納得行く収入が望めるか
結論
基準に照らし合わせて3社を比較したところ、以下の結論になりました。
内定先 | 結論 | 理由 |
大手 | 辞退 | 安定感はピカイチ。終の職場に選ぶなら文句なしでここ。 仕事内容が今とあまり変わらないため、ワクワクを感じなかった。 他の会社で今とは違う経験を積んでみたくなった。 |
ベンチャー | 辞退 | 大幅な年収アップ(+300万くらい)が魅力的。 今の自分の能力を最大限に評価してくれていたが、他の会社のやり方からまだ学びたいことがあった。 奥さんの転職が決まる前だったこともあり、「もう少しリスクを抑えた方が良い」という結論になった。 |
メガベンチャー | 承諾 | 他業界にも転用可能なスキルが得られる。 報酬・リスクのバランスも良かった。 |
どの企業にもそれぞれの魅力があったので、この決断には非常に悩みました。
奥さんの転職が決まっていたり、あと数年遅かったら他の企業を選んでいたかもしれません。
「転職はタイミング」とはよく言ったものですね……
退職相談
今の会社に退職の意向を伝えます。
僕の場合は上長に個人チャットで
○月に退職したいので、引き継ぎなどの相談をさせてください。
という感じでストレートに伝えました。
この方が相手にとっても心の準備ができるので良いと思います。
その後、上長との面談に進む際に気をつけたのは以下のポイントです。
- 入社日を先に確定させる
- 退職理由は「嫌」ではなく「合わない」
- 予め引き継ぎ資料を書き進めておく
入社日を先に確定させる
転職先の入社日を確定させていないと、後任者の不在やプロジェクトのリリース時期などの都合を出されて、退職時期がズルズルと後ろに延びてしまう恐れがあります。
退職理由は「嫌」ではなく「合わない」
退職理由についても色々と聞かれることになるので、しっかり準備しておきます。
当然ネガティブな理由も含まれることになるわけですが、「ここが嫌」というのではなく、自分の価値観と照らし合わせて「ここが自分の価値観と合わない」という形で伝えました。
「嫌」という言い方は感情的で、会社のせいにする響きが強いので反発を生みやすく、今後の関係に悪影響が出る恐れがあります。
その点「価値観の不一致(会社が悪いわけじゃない)」というスタンスであれば、主な原因は自分側にあるので、「それじゃあ仕方ないね…」という反応をもらいやすくなります。
予め引き継ぎ資料を書き進めておく
とはいえ、引き継ぎどうするの?
という問題は出てくることが予想されます。
そんな時に備えて、転職を検討しだした日から毎日少しずつ担当箇所のドキュメントを書き溜めておきました。
表向きはノウハウの整理、開発効率の向上など何とでも言えるので、怪しまれることはありませんでした。
いざ退職相談をしたタイミングでは、ほとんどのドキュメントが完成していたので、
引き継ぎ資料なら既にあるので、後任者の指名だけしてくれたら、あとはこちらでやります!
と言うことができました。
実際、後任者が決まった後はスムーズに進み、晴れて円満退職するに至ったわけです。
まとめ
以上、今回の転職活動の記録をまとめました。
まず初めに転職活動に関する情報をYouTubeで収集し、
- 転職には「軸」が必要なこと
- 転職活動はマーケティングであること
を心得ました。
自分の価値観、転職理由、強み弱みなどを整理し、書類作成や面接の場で一貫性を持ってしっかりと伝えられるようにしました。
選考過程においては
「相手企業の悩みを自分の強みでどう解決できるのか」
という視点でアピールしました。
内定後もしっかりと情報収集を行い、自身の価値観や家庭の状況と照らし合わせ、納得のいく選択ができました。
この考え方があなたにとって参考になれば幸いです!
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] […]