【ゲームレビュー】『ドラゴンクエスト3 HD-2D』~全てを台無しにするゲームバランス~

どうもです、タドスケです。

「ドラゴンクエスト3 HD-2D(以下、『ドラクエ3リメイク』)」をプレイしていて、

これはレビュー記事を書かなければならない…!

と思ったので記事にまとめます。

公式サイトはこちら:
https://www.dragonquest.jp/roto-trilogy/dq3

以下の点についてご了承ください:

  • ネクロゴンドの洞窟に到達した時点での感想です。
  • ネタバレを含みます。
  • ネガティブな意見がかなり多めなので、このゲームを楽しんでプレイできた方・これからプレイされる方は読むのを控えていただくことをオススメします。
  • ファミコン・スーパーファミコン版のドラクエ3はクリア済みです。
目次

冒険の楽しさ

「ドラクエ3リメイクがまた出る」聞いて最初に僕が期待したのは、「ドラクエ11のような3Dワールドマップを冒険できる」ことだったので、正直「なんだ、2Dか…」という気持ちはありました。

しかしプレイしてみると、2Dでもドラクエ世界を旅する楽しさは十分に味わえました。

広大なフィールド

過去のドラクエ3に比べてワールドマップ(フィールド)は広く作られており、ゲーム開始時の「アリアハン」から次の村「レーベ」に行くのにもそれなりの距離があります。(ダッシュ機能により、移動時間自体は軽減されています)

夜のフィールドで遠くに町の明かりが見えてきた時の安心感と、町に入ったときの「着いたー!」という喜びは、広い世界を旅する楽しさを味わえます。

マップの作りこみ

当時のハードウェアの性能の都合もあり、ファミコン・スーパーファミコン版のドラクエ3のマップは、限られたタイルを組み合わせて作られたもので、町ごとの個性はそこまでありませんでした。

しかし今回のドラクエ3リメイクでは、どのマップにもこだわりが感じられます。

ロマリア城前の豪華な噴水の輝きや、カメラワークにもこだわった螺旋階段には、デザイナーの魂が感じます。

スーパーファミコン以前のドラクエ3ではただのドットでしかなかった世界に僕は

こうなっていたのか…

という感激を覚えました。

探索要素

町の中に点在するツボ・タル・タンスや、フィールド上にある「ひみつの場所」からは、種や装備品が手に入ります。

特に種の強化は侮れないもので、念入りに探索して手に入れた種を全て勇者に使うと、かなりの強さになります。

「ストーリー攻略で詰まったら探索して強化することで攻略できる」というのは、昨今のオープンフィールドRPGを思わせるものがあります。

豊富なイベント

ファミコン・スーパーファミコン版からさらにイベントが追加され、特に勇者の父「オルテガ」の足跡を辿るイベントが豊富にありました。

スーパーファミコン版までは独りぼっちで旅していたように見えたオルテガも、旅先で様々な人々と出逢い、十数年経った今でも当時の思い出が語り継がれる様子が描かれます。

ドットで描かれたモブキャラクターではありますが、ちょっとした細かいしぐさがあり、プレイヤーの感情移入を助けてくれます。

めんどくささを減らす機能

令和の時代に合わせた快適機能も多く整備されています:

  • ダッシュ機能
  • バトルスピード「超はやい」
  • メッセージの瞬間表示
  • ほこらや洞窟にもルーラで飛べる

特に理由のない「めんどくささ」を極力減らそうという配慮が感じられました。

特技の追加

スーパーファミコン版では、戦士・武闘家などの物理攻撃系のキャラには呪文や特技がなく、能力値の違いだけが職業の差でしかありませんでした。

しかし今作では全ての職業に特技があります。

商人で覚えたグループ攻撃が戦士になってから活躍することもあり、色々な職業に何度も転職したくなります。

ゲームバランスの悪さ

ここまで良い点を書いてきましたが、本作はそれらを台無しにするほどの欠点があります。

それが ゲームバランスの悪さ です。

2回行動するザコ敵が多い

序盤は特に問題ないものの、アッサラーム・イシスあたりから2回行動をするザコ敵が増えてきます。

デスフラッター(緑色のカラス)のような、スーパーファミコン版にもあったような単なる物理攻撃であれば問題ないのですが、マホトーンを使ってくる「キャットフライ」や、火の息で全体攻撃をしてくる「かえんムカデ」なども2回行動をしてきます。

しかもその行動の内容も容赦がなく:

  • 後衛への攻撃
  • 全体攻撃
  • 防御してから攻撃

などを平気で行ってきます。

ドラクエのようなターン性バトルゲームでは、敵の行動による被ダメージがある程度予測できることが大事で、これをもとにプレイヤーは攻撃・回復・防御などを考えてプレイします。

味方が死んでしまった場合でも、それは自分の判断ミスが原因であり、「次はこうしよう」という改善の余地があります。

しかし今作では敵の行動内容の引きが悪いと1ターンで全快だった味方が死亡することもあり、どうしても「運ゲー」感が否めません。

「楽ちんプレイ」モード時の過度な接待

今作には難易度を選べる機能があります。

上記の2回行動が嫌になった僕は、最初に選んでいた「バッチリ冒険(ノーマル)」を諦め、「楽ちんプレイ(イージー)」で進めることにしました。

しばらくは快適なプレイが続いたものの、ネクロゴンドの火山に出てきたボスキャラ「レヴナント」で急激に難易度が上がりました。

イージーでも変わらない3回攻撃に、呪文強化からのイオラ→ベギラゴンの容赦ないコンボでさすがに全滅…かと思いきや、味方がHP1の状態でずっと生き残っています。

後から知ったことですが、これは「楽ちんプレイ」モードの仕様のようで、味方は絶対に死なないようになっています。

極端な話、低レベルでボスに挑んでも、Aボタンだけ押してたらいつかは勝ててしまいます。

こんなん、もはやただの作業じゃないの…

そう感じた僕は急激にやる気を失ってしまいました。

僕にとっての「イージー」モードは、「普通にプレイしていたら、よほど手を抜かない限りはクリアできるもの」だと思っています。

「死なない」のは、敵を弱くすることで「自然とそうなる」ように仕向けるべきです。

今作のように「敵の強さは変わらないけど、システム的に死なないようにしてしまう」のは、たとえゲームが苦手なプレイヤーだとしても、彼らなりに攻略しようとする楽しみまで奪ってしまうのではないでしょうか。

「ドラクエ」に期待するもの

今作をプレイしてみて、改めて僕が「ドラクエ」に期待していたものに気付かされました。

グラフィックの綺麗さ、ストーリーの緻密さ、戦略性、どれをとってもドラクエよりも優れたゲームは多くあります。

それでも僕がドラクエを好きな理由は以下です:

  • 鍵や乗り物を手に入れることで広がっていく世界を自由に冒険し、行く先々で新しい発見がある
  • 複雑なアクション操作をしなくても、じっくり考えてプレイできる
  • 「レベルを上げるだけでクリアできるシンプルさ」と、「戦略を練れば低レベルでもクリアできる奥深さ」の両立(プレイヤーが自分で好みの遊び方を選べる)
  • 多くは語らない、考察の余地があるストーリー

最初に書いた通り、冒険の楽しさは確かにありました。

しかし今作にはそれらの全てを台無しにしてしまう「ゲームバランスの悪さ」がありました。

来年に発売される「ドラクエ7」のリメイクを楽しみにしている自分としては、次もこうでないことを願うばかりです…

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