【出産】それでも僕らは無痛分娩を選びたい

僕ら夫婦は子どもの出産時に無痛(麻酔)分娩を選択しました。

事前調査もしっかりして安心かと思いきや、実際には様々な苦難がありました。

この記事では、僕ら夫婦の実体験と無痛分娩に対する考えをまとめたいと思います。

無痛分娩は是非が分かれるところですが、タイトルでも書いてある通り僕らは無痛分娩賛成派です。

無痛分娩を検討されている方はデメリットについても理解し、正しい心の準備をしていただきたいと思っています。

※この記事を書くにあたり、妻に当時の心境など色々と取材させてもらいました。感謝!

目次

無痛分娩を選んだ理由

妊娠した際、妻は陣痛や出産時の痛さについて色々調べていて、

鼻からスイカ
男性が経験したら死ぬ

なんて表現を目にして怖くなったようで、無痛分娩で産みたいと僕に相談してきました。

  • 追加の費用(+20万くらい)がかかること
  • 副作用のリスクがあること

なども調べた上で、それでもやりたいという話だったので、妻の不安が和らぐなら…と無痛分娩を行うことを決めました。

産院選び

無痛分娩ができる産院はまだ少ないです。

特に、24時間対応可能なところにしないと、いざ陣痛が来た時に麻酔科医がいなくてできない、なんてことになるので、そこも考慮すると選択肢は更に狭まります。

自宅からは離れていたものの、職場から比較的近かったので、僕らは愛育病院を選びました。

愛育病院 愛育病院では、母と子の幸せと、すこやかな子どもの成育のため、質の高い医療を提供し、安全で快適な妊娠・出産・育児を支援いたします。

事前説明

無痛分娩を希望する場合、麻酔科医による事前説明を受ける必要があります。

夫婦で病院に行って、

  • 麻酔のやり方
  • デメリット
  • 副作用のリスク

などの説明を受けました。

出産当日

産院へ

出産当日の流れは、産院に行くところまでは特に変わりありません。

朝起きたら強い痛み(前駆陣痛)

産院で検査

まだ子宮口の開きが小さいので、
一旦帰宅してごはん、シャワー、待機

痛みが強くなったので陣痛タクシーを呼んで再度産院へ

ただこの時に僕は一つ、重大な判断ミスを犯しました。

陣痛タクシーで産院に向かう際に

高速を使いますか?

と聞かれて、まだ妻に余裕があったこと、一般道でも時間に大差が無いこと、無痛分娩で出費がかさんでいたことなどを理由に一般道を選択しました。

しかしこの後でタクシーが渋滞にハマり、想定よりも30分くらい遅れて産院に到着することになりました。

初めは多少余裕のあった妻もタクシーの中で容態が急変し、うめき声をあげたり、

もう無理…

と呟くようになりました。

僕はこの時、自分の選択を死ぬほど後悔しました。

妻を苦しませないために無痛分娩を選択したのに、結局苦しませてしまったのです。

産院に到着した時には子宮口は8cmまで開いており、産科医から

よくこんなになるまで我慢しましたね

と言われました。

分娩

分娩室に入った時も妻は苦しみ悶えていました。

産科医からは

もうこのまま産んでしまった方が早いかもしれませんよ?!

と言われましたが、妻はそれでも麻酔を希望しました。

麻酔を使用することになったので、僕は一旦分娩室の外で待ちます。

正確な時間は覚えていませんが、20〜30分くらいだったかと思います。

呼ばれて再度分娩室に行くと、妻は穏やかな表情で横になっていました。

痛みは完全に消えたようです。

それからお産のためにいきむ練習をしました。

無痛分娩の場合、痛みが無いためいきむ感覚が分かりにくく、お産が長引く傾向にあるとのことです。

しかし僕らの場合はとても順調で、いざ本番!となってから10分で終了しました。

お産の瞬間も妻に痛みは一切なく、

早過ぎだなー

なんて2人で笑い合いました。

産後

出産直後はLDR室で安静にします。

この辺りから妻が

頭痛がする

と言い出しました。

陣痛に耐えていた時間が長かったから、踏ん張り過ぎたのかな、なんて話していました。

入院中

出産翌日、妻は全身の筋肉痛と激しい頭痛に襲われました。

鎮痛剤を飲んでも一切効かず、カフェインを飲んだら少しだけマシになる程度でした。

起き上がると痛みが激しくなるので、トイレに行くこともままならず、食事もできませんでした。

入院3日目くらいになり、頭痛の原因がようやく判明します。

原因は硬膜穿刺後頭痛でした。

これは無痛分娩の後遺症の一種で、100人に1人程度の割合で起きるレアなものらしいです。

麻酔のタイミングが遅れたことで、麻酔使用時に痛みで動いてしまい、それで脊髄が傷ついてしまったのではないかと言われました。

僕は

もう少し早く来られていれば……

と再び後悔しました。

退院後

病院嫌いの妻の希望もあり、5日目で退院したのですが、帰宅後も3日間くらいは頭痛は続きました。

妻はほぼ寝た切りで、授乳の時だけ起きてもらっていました。

しかし頭痛が引いてからの回復はとても早く、退院後1週間経つ頃には普通に歩き回ったり、昼間に2人でゲームしたりしていました。

無痛分娩をやってみて

当初は苦しくない出産ができるものと期待していましたが、実際にはトラブルの連続でした。

特に一旦帰宅した後の展開は予想外に早く、結果として妻を苦しめてしまいました。

ただ出産の瞬間を痛み無く迎えられたことには妻も満足しており、それがなかったらもっと苦しい思いをしていただろうと語っています。

後遺症の頭痛には悩まされたものの、無痛分娩を選んだこと自体は僕も妻も一切後悔はしていません。

初回の出産にしては産後の回復も早く、妻は育休中に

早く職場復帰したい

と言っていました。(保育園が決まらなかった都合で、育休が長引いたので)

費用は安くはありませんが、その分早く回復できるなら払う価値はあるという考え方もありだと思います。

今のところ予定はありませんが、もし今後第二子を産むことになったとしても、また無痛分娩を選びたいね、と妻と話しています。

無痛分娩を検討している人へ

実際に無痛分娩を検討されている方々に、経験者の僕らからささやかなアドバイスを送りたいと思います。

産院選びはスピード勝負!

24時間無痛分娩可能な産院はまだ少ないです。

産院のベッドは想像以上に早く埋まってしまうため、妊活をするよりも前に「無痛分娩をしたいか」については話し合っておき、産院の候補を挙げておくと良いでしょう。

妊娠が発覚したらその日中に電話するくらいのつもりでいた方が、後で後悔せずに済みます。

前駆陣痛時には早めに産院へ

前駆陣痛で産院に行くと、

できるだけ家でリラックスした状態で粘った方が、その後のお産がスムーズになりますよ。

みたいなことを言われます。

しかし無痛分娩を選んでいる以上、痛みに耐え続けるのは本末転倒です。

痛みが非常に強くなってからの麻酔は、後遺症になる危険性も高まります。

助産婦さんは、

子宮口3cmの段階で耐え切れずに麻酔を希望する妊婦さんもいる。

という話をしていたので、痛みが強くなってきたら迷わず産院へ行きましょう。

早過ぎても間に合わないよりずっとマシです。

妻は、

最初は重い生理痛のような痛みだったけど、痛みの質が変わったと思った時にはもう遅かった。

その前の話すのがしんどくなってきたくらいが目安だったかも。

と言っていたので、参考にしていただければと思います。

僕らのように自宅と産院が離れている場合は、産院の近くのネカフェやホテルで待機するのも良い手段かと思います。

周囲の意見は気にするな

無痛分娩をやりたいというと、周囲から色んなことを言われます。

お産には痛みはつきもの。痛みがあるから愛情が深まるのよ!

なんてことを言う人もいるかもしれませんが、それは嘘です。

痛みの有無ではなく、産後の日々の行動の積み重ねこそが愛情を育むんだと僕らは信じています。

無痛分娩はまだ一般には浸透し切っていない技術で、人々はよくわからない新技術には反発するものです。

情報を集め、夫婦でよく話し合い、そのうえで自分たちがどうしたいか。

それに勝る理由はありません。

まとめ

以上、僕らの無痛分娩の体験をまとめました。

無痛分娩をネット上で調べると、後遺症の話ばかりが先行してネガティブなイメージを持たれがちだと思います。

実際に体験した僕らとしては、今後もっと普及してほしいと願っています。

目のレーシック手術のように、当たり前に無痛分娩を選べる世の中になるために、この体験記が少しでも役に立てれば幸いです。

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